私が尊敬する、心理カウンセラーの先生の言葉で、とても心に残っている言葉があります。


『悩んでいる人を独りにしない』


心理カウンセラーの資格を取るべく、学んでいた時の講座の中で

カウンセリングを行なうことに於いて、とても大切なことのひとつは、テクニックよりも、

相手の方の悩みを ”心のレベルで聴く” ということです。 というお話がありました。


         


人生という道を歩いていると、どうしようもない悲しみに出会うことも、もしかしたらあるかもしれません。

ご相談者の方や、または、みなさんの周りの大切な人が、もしもそのような状況にある時、

どうしようもない悲しみの嵐の中にいる時は、相手の方を孤独にさせない

一緒にいるという安心感がとても大切なのだということを学びました。


                            


また、終末期の在宅医療に取り組まれている、ある医師のお話を伺う機会がありました。

まだ幼いお子さんのいる患者さんから、「先生、生きたいんです!」と懇願された時、どうすることもできずに

「死」というものを前にして、自分が医師として、とても無力であるということを痛感されたことがあったのだそうです。

そんなご経験から、患者さんやそのご家族に安心していただくということを一番の最優先にされて、

昼夜問わず、365日24時間体制で、在宅医療に精力的に取り組まれています。

「無力だからこそ、そばにいるその先生は、こんな風に表現されていました。


          


心理カウンセラーの先生も、このドクターも、お二人に共通していることは


「悩んでいる人・不安や恐怖の前にいる人を、独りにさせない」 ということ。


どうにもならないような状況に置かれている時であったとしても

誰かが一緒にいてくれるという安心感が、どれだけその方々の救いになったことだろうか・・・と

そう思うのです。


    


          


今年も、いろいろな場所で、様々な桜を楽しみました。

凛として堂々と咲く桜。

微笑むように優しく、チャーミングに咲く桜。

そしてまた、時には、人知れずひっそりと咲く桜。


          


はらはらと潔く散ってゆく桜の舞いを眺めながら、そんな桜のように

ご縁のある方々の心の旅に、寄り添ってゆくことも大切なのかもしれない・・・と再認識した

2017年春でした。